被虐待児の「やる気の起きづらさ」解明
被虐待児の「やる気の起きづらさ」解明
顕著に低い報酬感受性、ADHD児は高報酬にのみ反応
理化学研究所2015年10月16日 (金)配信 小児科疾患精神科疾患神経内科疾患
虐待などによって母親などとの間に愛着がうまく形成されなかった児(愛着障害児)では、脳の報酬に関わる部位の機能低下が認められることが、福井大学と理化学研究所、生理学研究所による共同研究から明らかになった。理研ライフサイエンス技術基盤研究センター健康・病態科学研究チーム上級研究員・水野敬氏、福井大病院子どものこころ診療部・滝口慎一郎氏らが「Asian Journal of Psychiatry」電子版に報告した内容で、世界的にも貴重な知見だという。
理研などのプレスリリースによると、「愛着」とは児と特定の母性的人物のあいだに形成される強い情緒的な結びつきで、うまく形成されないと反応性愛着障害(RAD)を発症する。RADの症状は注意欠如・多動性障害(ADHD)と似ているため、鑑別が困難なことが指摘されている。
研究では、10-16歳でRADの診断基準を満たした児5例と、ADHD児17例、定型発達児17例にカード当てゲームを実施し、報酬感受性に関わる脳の活性化を機能的MRI画像で比較した。ゲームには正解するとたくさん小遣いがもらえる高報酬課題、少しもらえる低報酬課題、正解しても小遣いはもらえない無報酬課題の3種類があり、ADHD児には3カ月間の薬物治療をはさんで2回実施した。
その結果、定型発達児は報酬の多寡にかかわらずゲームに対して脳の線条体と視床が活性化しており、報酬感受性が高いことが分かった。ADHD児は、高報酬課題に対してはそれらの部位の活性が見られたが、低報酬では活性がなく、報酬感受性が低めでやる気も起こりにくいことが示唆された。しかし薬物治療後は低報酬課題に対してもこれらの脳部位が活性化した。
一方のRAD児は、いずれのゲームでもこれらの脳部位の活性が見られず、報酬感受性の低下が著しく、やる気も喚起されにくい状況であることが明らかになった。
顕著に低い報酬感受性、ADHD児は高報酬にのみ反応
理化学研究所2015年10月16日 (金)配信 小児科疾患精神科疾患神経内科疾患
虐待などによって母親などとの間に愛着がうまく形成されなかった児(愛着障害児)では、脳の報酬に関わる部位の機能低下が認められることが、福井大学と理化学研究所、生理学研究所による共同研究から明らかになった。理研ライフサイエンス技術基盤研究センター健康・病態科学研究チーム上級研究員・水野敬氏、福井大病院子どものこころ診療部・滝口慎一郎氏らが「Asian Journal of Psychiatry」電子版に報告した内容で、世界的にも貴重な知見だという。
理研などのプレスリリースによると、「愛着」とは児と特定の母性的人物のあいだに形成される強い情緒的な結びつきで、うまく形成されないと反応性愛着障害(RAD)を発症する。RADの症状は注意欠如・多動性障害(ADHD)と似ているため、鑑別が困難なことが指摘されている。
研究では、10-16歳でRADの診断基準を満たした児5例と、ADHD児17例、定型発達児17例にカード当てゲームを実施し、報酬感受性に関わる脳の活性化を機能的MRI画像で比較した。ゲームには正解するとたくさん小遣いがもらえる高報酬課題、少しもらえる低報酬課題、正解しても小遣いはもらえない無報酬課題の3種類があり、ADHD児には3カ月間の薬物治療をはさんで2回実施した。
その結果、定型発達児は報酬の多寡にかかわらずゲームに対して脳の線条体と視床が活性化しており、報酬感受性が高いことが分かった。ADHD児は、高報酬課題に対してはそれらの部位の活性が見られたが、低報酬では活性がなく、報酬感受性が低めでやる気も起こりにくいことが示唆された。しかし薬物治療後は低報酬課題に対してもこれらの脳部位が活性化した。
一方のRAD児は、いずれのゲームでもこれらの脳部位の活性が見られず、報酬感受性の低下が著しく、やる気も喚起されにくい状況であることが明らかになった。